広島カープがFAで主力選手を獲得するためには?四【no.0054】
(ぜひ其の壱から順番にお読みください)
「広島カープがFAで主力選手を獲得するためには・・?」其の壱
「広島カープがFAで主力選手を獲得するためには・・?」其の四です。
■データを見ることで、定量的により「テコ入れ」する部分がわかる‥!
広島カープがFA宣言した選手を獲得するための資金を用意するために、売上をあげたい。まずは年間28億円と思われるチケット売上をできる限り上限の40億円に引き上げたい。そのためには、現在7割程度の観客動員数をできるだけ毎試合満員になるようにしたいわけです。
広島カープの本拠地であるマツダスタジアムには15種類以上もの座席種別があります。まず「主催試合全72試合での座席種別の購入率」を取得することによって、人気のある座席・人気のない座席をデータで理解します。内野指定席Aと内野指定席Bの人気の差はどれくらいあるのか。データを使わなくても「なんとなく」主観的な感覚で理解していることだと思うけども、データを取得して「はっきり」客観的な事実として理解をすることが大事です。よりテコ入れしなければいけない座席がどこかを「明確に」理解するために、です。
次に「主催試合全72試合1試合ずつの座席種別の購入率」を取得します。これをはっきり言ってしまっていいのか悩むんだけども、正直対戦相手によって全体の購入率も変わるでしょう。ジャイアンツが相手であれば購入率は高いだろうし、ベイスターズやスワローズが対戦相手だとおそらく購入率は低いのではないかと思われます。座席種別に関わらず、ですよね。チケット売上の最適化を図るために、ここはここで何かしらのテコ入れを施したいところです。
そして、「会員IDをキーにしたチケット購入サイクルの分析」。ファンクラブ会員IDや可能ならチケットサイトのIDをキーにして、「最初に購入されているエントリー的座席種別は何か?」「リピートされ続けている座席種別は何か?」「どの座席種別が早く売り切れるか?」「エントリー的座席種別Aを利用した人は、次にどの座席種別を選ぶか」などをデータで分析していきます。
■データ分析をしても「具体的なアクション」なんぞは出てこない‥!
いま挙げた3つのデータ分析をチェックしたとして、ここから知ることができるのは「テコ入れをすべき条件」だけです。データ分析をすれば具体的なアクションが見えてくるわけではなく、あくまで知るべきは「改善のポイント」です。ここから改善をするために「何をするか」を考えていくわけです。
内野自由席がいつも3割ほどしか埋まっていなくて、寝ソベリアの座席種別が毎回即完売なのであれば、内野に第2寝ソベリアを作ってもいいかもしれません。対戦相手がベイスターズやスワローズの際に購入率が5割しかなかったとすれば、登板のないピッチャーのハイタッチ会(サイン会や握手会より負担がかからない)を行ってもいいかもしれません。エントリーとなっている座席種別のチケットを購入した方には、マツダスタジアムの他の座席種別を紹介するチラシを配っても良いかもしれません。データから大まかな「改善ポイント」を見つけ出したら、そこからアイデアを掘り下げていくのは、現場の皆さんの役目ということですね!ここはツールに頼るところではなく。
■年間シートで球場が埋まれば、メッチャ楽‥!
チケット売上を40億円に近づける上で、もうひとつ考えなければいけないことは、年間シートの売上を最適化させることかなと思います。極端な話(そしてあり得ない話ですが・・)、ペナントレースの開幕前に年間シートで32,000席全てを埋めることができるなら、それで年間の観客動員数は100%を達成ですからね。ちなみに、マツダスタジアムの年間シート「1階外野指定ライト」は1席98,700円。主催試合72試合が全てマツダスタジアムとして1試合あたり1,370円。其の弐で書きましたが、外野席は一般だと2,000円なので年間シートだと約30パーセントOFFということですね。
もし、仮に全ての座席を年間シートで埋めてしまった場合、40億円×70パーセントで、それこそ年間売上28億円が上限になってしまうのか、これは困ったぞ・・。とはいえ、年間シートの契約数が多ければ、チケットの余りも減るわけだし、チケット販売所などの管理コストも減るわけだから、増やす方法を考えた方が良さそう。そもそも3割の座席は埋まっていない状態なので、最大9,000席は年間シートとして増やせるってことにはなる。
さあ、どうやって年間シートの契約数を増やすか。では明日。
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