「名前をおぼえない」人が、輪の中に入れてもらえることはない【no.0680】
相手の「名前をおぼえる」というのは、ビジネスマナー上、もっとも大切なもののひとつではないかと思います。
特に、一時的な出会いではなく、継続して共にビジネスを成長させていく場合、相手の名前をおぼえる努力をしないようでは話にはなりません。「こちらのメンバーの名前をおぼえようとしないから」という理由で、取引先としての契約を切られてしまったとしても、正当な理由になるのではないか、とさえ私は思います。
弊社のようなコンサルティングの形式をとっていると、より「名前をおぼえる」ということは大切です。コンサルタントはチームメンバーの触媒の役割をしなければなりません。評価し、褒め、時には叱咤激励をしながら、チームメンバーをモチベートしていかなければいけないわけです。
で、あるはずの立場で、「名前をおぼえない」コンサルタントの意見など、誰が聞きたいでしょうか?
「あなた、この役目をお願いします」と言われても、本心からはやりたいとは思わないでしょう。少なくとも、人に物事を頼むならば「●●さん、この役目をお願いします」というのが当然です。いくら偉いコンサルタントであっても、いくら相手が新入社員だったとしても同じです。いかなる立場であれ、同じフィールドに立って勝負をしていきたいならば、「名前をおぼえる」のは基本のキ、ということになります。
表向きは話を聞いてくれていたとしても、本当の意味で「円陣の輪の中」には入れてもらえません。
とにかく人の顔と名前を必死でおぼえること。得て不得手はあります。でも、得て不得手で「名前をおぼえない」もしくは「おぼえられない」と言い切ってしまうのは、非常に失礼です。相手の会社が5人でも10人でも、できれば1回目にお会いした時点で、遅くとも2回目にお会いした時点で、顔と名前が一致するようにさせたいものです。
もし、余裕があるならば、インターネットやソーシャルメディアを活用して、「まだお会いしたことはない、名刺交換はしたことがないけれども、今後関わるかもしれないメンバー」の名前も一緒におぼえてしまいましょう。初対面で、「●●さんですよね?」と名前を伝えてあげると、相手からの印象が一気にアップします。そして、「この人やるな~」と思われること間違いなしです。
それくらい、「名前をおぼえる」ことは重要です。私なんぞ、いくらいい意見をくれる方でも、何度お会いしても「名前をおぼえる気が無い」と感じられたら、話は聞かないようにしているくらいです。年をとると「記憶力が鈍って、名前がおぼえらんないね。仕方ないね」と納得し、名前をおぼえないことを半ば肯定化してしまっている人がいますが、危険です。「名前をおぼえない」限り、あなたの意見は聞いてもらえることはないでしょう。
「名前をおぼえ」たら、積極的に名前を呼ぶのが良いと思います。名前を呼んであげると、相手にとって「自分の存在が受け入れられてる感」が高まります。距離が縮まり、コミュニケーションが深くなります。ポジティブな意見はもちろん、多少ネガティブ(と受け取られる)意見でも、聞いてもらえるようになります。
名前についてのこのあたりは、「テクニック」と表現してしまったらそこまでかもしれませんが、「気遣い」ですよね。生まれながらにして誰にも教わることなく、「名前をおぼえる」「名前を呼ぶ」ことができる人もいれば、「名前を呼ぶ」ことはともかく「名前をおぼえる」ことさえできない人もいます。「名前をおぼえる」「名前を呼ぶ」ことの大切さに気づいて、かつスムーズにできる人は、「親の教育。育った環境」に感謝です。意外なところで、人生の道は分かれています。
おわり。
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