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「成果が上がらない」ことのほとんどの理由は「ただ単に知られていない」だけ【no.0430】

 「成果が上がらない」ことのほとんどの理由は「ただ単に知られていない」だけです。(2014年11月のリライトです)

 サービスの利用者が増えないのは「ただ単に知られていない」からです。商品が売れないのは「ただ単に知られていない」からです。会社の名前をいうとポカンとされてしまう。それも「ただ単に知られていないから」です。「成果が上がらない」ことのほとんどの理由は、そのサービスや商品ではありません。「単に知られていない」からなのです。

内部の改善活動はアプローチがズレている

 それでも人は「成果が上がらない」とコンテンツを変える努力をします。現状のサービスの問題点や課題を収集し、改善活動を施します。商品についてのお客様アンケート調査を行い、次の商品開発に活かします。サービスのコンテンツの種類を変えたり、商品のラインナップを変えたり。はたまたUIを変えたりUXを工夫したりして、「成果が上がる」ように努力をします。

 しかし、これらのすべては内部の改善活動です。サービスや商品を「知ってもらう」ための施策ではありません。すでに知っている方に対してのアプローチ方法を変えているにすぎません。クオリティを「掘り下げる」ことを否定しているわけではありません。「単に知られていない」ことの解決からはアプローチがズレているわけです。

 サービスや商品のクオリティを掘り下げる「縦」の改善活動はまだ良いでしょう。問題は当初のコンセプトとズレたサービスを始めるなど、「横」の改善をする場合です。売上の上がらないラーメン屋がカレーライスを売り始めるようなものです。お客様に寄れば寄るほど、他社のコンテンツとの「違い」がなくなってきます。「選ぶ理由」がなくなるわけです。

内部の改善活動はラクだから継続してしまう

 「ただ単に知られていない」ことが問題だとして、「内部の改善活動」を選択するのか。ひとつは、「良いものにはお客様が寄ってきてくれるはずだ」という考えがあります。サービスや商品をより良いものにすれば「勝手にお客様が集まる」という想像です。肝心なのは、もうひとつの方です。「内部の改善活動」の方が「ラク」だからです。

 そうなのです。「内部の改善活動」の方が「ラク」なのです。社内で集まって会議をして、アイデアを持ち寄る。その中から優先順位をつけて、自分達が思うとおりにサービスを変える。そして商品ラインナップを変えたり、UIとUXを変えたりすればいいのです。そこには「他者(他社)」が関係しません。コンテンツを変えるという改善活動は、自己完結ができます。「他者(他社)」に面倒や迷惑をかけることはありません。面と向かって評価されることもありません。だから「ラク」なのです。

単に知られていないを解決するのは、ドロくさい仕事

 しかし、「ただ単に知られてない」を解決するには、「人に知られる」のアプローチを行わなくてはいけません。これは「内部の改善活動」ではなくて「外部の改善活動」です。仮に予算があるなら「広告をかけましょう」という話になります。しかし、多くの事業者には広告宣伝費の余裕はありません。お金が無いとなると、時間を使うということになります。汗を流すということになります。所詮、ひとりで「伝えられる」人数は限られています。「このチラシを置いてください」なのか「このリンクを載せてください」なのかわかりませんが、つまるところ「人に頭を下げてお願いする」ことを前提とした改善活動になります。

 「ただ単に知られていない」ことを解決するのは、ドロくさい仕事です。地道で面倒で手間のかかる仕事です。それが嫌だからこそ、「内部の改善活動」によって解決策を見出そうとします。しかし、それは本質的な解決にはなりません。「成果が上がらない」ことのほとんどの理由は、やっぱり「ただ単に知られていない」だけです。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから