スーパーのレジ待ち「2番目の方からどうぞ」の話【no.0361】
自宅の近くにふたつのスーパーがあります。どちらを優先して利用しているわけでもなく、使い分けているわけでもなく、ただ気分で、半々ほどで利用をしています。
そんなふたつのスーパーの話。
1つ目のスーパー。
夕方の買い物時ということもあり、レジの前には長蛇の列。レジ自体は6つほどあるのですが、シフトの関係上、空いているのは4つ。そのうちのひとつに、私は並んでいました。私が並んでいたのは、3番目。2人前のお客さんが、レジを打ってもらっています。そこに、ヘルプの方がきました。その方は私の前、2番目に並んでいる方のカゴを受け取り、「2番目の方からこちらで承りますよ」と。そこで、私が並んでいた隊列が崩れ、2つのレジの列に分かれていきました。
2つ目のスーパー。
同じようなシチュエーションです。ただ違うのは、私が3番目ではなく、2番目に並んでいたこと。そして同じようにヘルプの店員さんが来ました。私の後ろ、3番目に並んでいた方が隣のレジが空くのを感じ、動いていきました。私はヘルプの方が「2番目の方からどうぞ」と言うのかと思いましたが、そのまま私の後ろにいた3番目の方のレジを打ち始めてしまいました。
よくあることです。後者のスーパーでも、普段は同じように「2番目の方からどうぞ」と誘導しているのかもしれません。たまたま、ヘルプの店員さんがそのひと言を忘れてしまったのかもしれません。私の前の方のレジがすぐに終わると判断したのかもしれません。しかし、一事が万事です。一件たりとも漏らさず徹底できていなければ、「できている」とは言えません。現に、私のブログのネタになってしまったのですから・・。
怒っているわけではありません。このとき、私が考えたのは、いかにすればレジを担当する店員さんに「2番目の方からどうぞ」を徹底してもらえるか、ということです。「だって『2番目の方からどうぞ』を言った方が、並んでいるお客様にとって気持ちがいいでしょう」そう言って店員さんに理解してもらい、「2番目の方からどうぞ」を全てのお客様に漏らさず徹底できるならば簡単です。しかし、そうならないから困るのですよね。
誰しも悩むところです。「できるだけ気をつけましょうね」では、本当の顧客満足を得ることはできません。「できるだけ気をつけましょうね」は、「できなければ気をつけなくても良い」と同義です。例え、小さなステップからのスタートだったとしても、100%の徹底を目指さなければ意味がありません。かといって、「そうした方がいい」ということ以外に、徹底してもらえる理由がない。そんな場合です。
では、どうやって「そうした方がいい」を徹底してもらうかです。徹底してもらうための環境をつくる方法として、ふたつの方法があります。
ひとつは、徹底的に伝え、潜在意識の中に刷り込んで習慣にしてもらう方法。アルバイトの始業前に必ず読む十箇条を用意しておきます。それを読まないとレジに立ってはいけません。もちろん十箇条を読んだかのチェックシートも用意しておきます。レジの前にも同じ貼り紙をしておきます。レジを開けるときに、POSの画面に「2番目の方からどうぞ」を表示しておくのも良いかもしれません。とにかく、「一件も漏らさない」ために、ありとあらゆる改善を尽くすのです。
もうひとつは、数字で管理する方法です。「2番目の方からどうぞ」の成果を数字で感じることができれば、明確に「やるべき理由」に変わってきます。成果となる数字は顧客満足度です。「2番目の方からどうぞ」を行ったか否かによって、顧客満足度が変化したかを知るためには、お客様アンケートの内容をデータ化して時系列で並べるのが有効でしょうか。「2番目の方からどうぞ」の徹底、漏れをチェックする仕組みを用意して、その徹底率と顧客満足度の相関性を見ることができればベストです。現実には、明確な数字で成果を測るのは難しいでしょうが、試す価値はあります。「定量を超えた定性」というやつです。
いずれにせよ大切なのは、上記のふたつを「マネージャーが店員さんに『やりきってもらう』ことができるか」というところです。店員さんにお客様に対して一件も漏らさず徹底してもらうためには、マネージャーが定員さんに一件も漏らさず徹底するしかないわけです。
と、スーパーの帰り道で、そんな余計なことを考えていた私です。
おわり。
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