オムニチャネル化の本丸は、顧客データの統合!【no.0071】
■セブンアンドアイ成長の第二段階はリアルとネットの融合‥!?
一昨日(11月18日)のワールドビジネスサテライトを見ていた方もいると思いますが、セブンアンドアイグループの設立40周年記念パーティの様子が流れていました。鈴木会長のインタビューの中で、これまで(つまり40周年を指す)がセブンアンドアイの成長の第一段階、これからが成長の第二段階になるとお話しされ、その第二段階とは何かといえば、リアルとネットの融合「オムニチャネル化」だと。
セブンアンドアイグループがグループの300万点の商品をネットショップで販売する(準備をしている)というのは既報のとおりですが、一昨日のWBSでは、NTTデータやGoogleから集めた精鋭チームのミーティングの様子も流れておりましたね。2020年の消費スタイルはどのように変化するか、ペルソナを立てて、そのストーリーを全員(30名はいた)で共有しながら、意見を交換して、イメージをブラッシュアップしていくというような。
女性スタッフの方が「テレビドラマで女優さんが来ている服を、その場でスマホを使って投票して、一定数集まったら商品化する」みたいなライフスタイルを話していて、プロジェクトのトップでもある鈴木会長の次男の株式会社セブンネットショッピングの鈴木社長が、「お客様の1歩先をいくものはダメなんだよ。半歩くらいでないと」ということを仰っていて、まあそうだよなと納得しつつも、2020年のお客様の半歩先って難しくね?と思ったりしておりました。
■オムニチャネル構想の本丸は顧客データの統合に他ならない‥!?
オムニチャネル化に到達するまでの流れとしては、各部門の商品マスターと在庫データを統合し、倉庫を確保して物流の仕組みを整えていかなければならないし、当然、パソコン・スマホ・タブレットのサイトの整備や、デパート・コンビニエンスストア・実店舗という商品が手に取れるスペースであり限られたスペースをどう活用していくのか、そしてこれはリアルとネット両方の課題だと思うんだけども、どうやってお客様に商品を提案していくか、ざざざっとですがこんなところがポイントになってくるのかなと思います。
そして、本丸は顧客データの統合でしょうね。オムニチャネル化を実現するためには、その全てが顧客IDで統合される必要がある。商品マスターや在庫データなどよりも、長期的なマーケティング戦略を考える上で重要になるのは顧客データをいかに保持し、活用していくかということ。それが、お客様への1to1のマーケティングに繋がってくるし、マーチャンダイジングも顧客データの活用如何によって変わってくるわけです。たぶん、リアルの見せ方も顧客データで変わってくるでしょうね。地上ではリアルとネットが繋がり、その根っこは顧客データで繋がっている、そんな感じになるんでしょうね。
前回のブログの話からいえば(前回のブログを読んだ方が楽しめます)、このセブンアンドアイのオムニチャネル構想と取り組みはイーコマース事業の「面」を広げていることに当たるでしょう。業界のトップランナー、大手企業だからこそできる「面」の広げ方であり、資本力があるならば「掘り下げる」よりも「面」をガンガン広げていった方が良いわけです。でも、でもね、私みたいな人間に言わせると「面」を広げるのは重要ながら、その「面」の可能性を十分に生かす「掘り下げ」がより重要ではないかと思うわけです。だって、実際に仕組みを活用して売上をあげていくのは現場でしょう。仕組みではカバーできない改善活動が必要になるわけです。
■現場の改善活動をより活発化させるために必要なものは‥!?
そこで、オムニチャネル構想も進めていただきながらで結構なので、僭越ながらですが、セブンアンドアイさんが取り組んだ方が良いと思うのは「リアル店舗でのUU(ユニークユーザー)取得」ですね。インターネットの世界で、「ショップに来たけど買わなかった人」がデータとして分析でき、次の改善施策が打て、その効果を検証できるのと同様に、リアルの世界でも「ショップに来たけど買わなかった人」に対して成果データを元に対策ができるようになる。
だって、今って、リアルのお店は「ショップに来て、買った人」の分析しかできないじゃないですか。それが「UU」を取れるようになったら、現場の日々の改善活動は相当変わる。ちなみに、UUを取得する仕組みは顔認証などを使えば簡単にできるようになるハズです。仕組みを入れた上で、その改善活動の指導が必要であれば弊社が請け負いますのでセブンアンドアイの方お待ちしていますね。はっはっは。
オムニチャネル化構想という「面」がしっかり出来あがって、現場がその環境に合わせて「掘り下げる」ことができるようになれば、これは最強なわけです。オムニチャネルのアプローチと同時に、リアルでUU取得もやってみませんか?
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