事務、営業、製造・・おにぎり水産のメンバーでEコマース担当に適任なのは?【no.0539】
ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら)
「おにぎり水産のこと、笹かまぼこのことを良く知っている人」「できれば若い子」。それが猪井氏(いいし)先生が鬼切社長にアドバイスをした、ネットショップ「専任」担当者の適任者でした。
当初、鬼切社長はEコマース経験者の採用を考えていました。特に当てがあるわけでもないのですが、普段から付き合いのある人材会社に相談すれば何とかなるかと思ったのです。先日、その人材会社の社長と話した時も、「ネット系の人材でいい人がいるから、もしご用命があれば」と言っていました。
しかし、猪井氏先生のアドバイスによって「採用をする」という選択肢はなくなりました。鬼切社長は、おにぎり水産のスタッフを頭の中で思い浮かべ、適任者を探しました。
まず、鬼切社長が思い浮かべたのは事務のメンバーでした。以前、事務とネットショップの運営を兼務してくれた静子さんを思い浮かべました。しかし、静子さんはネットショップの専任になるのは難しいですし、インターネットの新しい知識・スキルを覚えていくのにも、少し心もとない感じです。猪井氏先生がいう「できれば若い子」に該当しません。
事務のメンバーはベテランが多く、どの方も「できれば若い子」に当たりませんでした。そうなると、営業のメンバーです。営業のメンバーには、数人、活きのいい若い男性がいます。しかし、いずれのスタッフも無骨で男らしいタイプであり、パソコンを使うような繊細な仕事に向いているようには思えませんでした。鬼切社長は、製造のメンバーを思い浮かべてみました。
おにぎり水産の工場で働く製造のメンバーは、当然ながら社内で一番「笹かまぼこ」について知っている人たちです。「おにぎり水産のこと、笹かまぼこのことを良く知っている人」という条件にはピッタリの人財が集まっています。また、定期的に新しいメンバーも増えているので若い子も少なくありません。鬼切社長は製造のメンバーからネットショップの「専任」担当者を選ぶのが良さそうだと考えました。
しかし、鬼切社長にはひとつ気になっていたことがありました。猪井氏先生が言っていたことです。
「インターネットっていう顔が見えない商売ゆうても、パソコンやスマートフォンの画面の前には商品を吟味してるお客さんがいるわけじゃからな。愛想のない人はあんまり良くないと思うわ。それに、もちろん、ネットショップの担当者のとこにはお客さんから電話もかかってくるし、問い合わせのメールも飛んでくるしな」
製造のメンバーは決して「愛想がない」わけではありませんが、工場という仕事上、どちらかというと「黙々と仕事をこなす」タイプの人たちが集まっています。積極的にコミュニケーションを取り合ってというよりも、与えられた持ち場をしっかりとこなす型の人間が多いように感じます。ネットショップの担当者になったときに、はたしてお客様とコミュニケーションを取れるのか、もしくはお客様と積極的にコミュニケーションを取ろうとするのか。鬼切社長には一抹の不安がありました。
「でも、事務と営業と製造のメンバーを見回したときに、猪井氏先生の条件に一番フィットしそうなのは製造のメンバーなんだよなぁ・・そうだ!」
悩んでいた鬼切社長にアイデアが浮かびました。おにぎり水産の工場に併設されている実店舗の活用です。これまで、実店舗は「営業」の部門として扱ってきましたが、新しくEコマース事業をスタートさせるにあたり、実店舗とEコマースで「小売り」の部門を立ち上げてはどうかと考えました。
そうすれば、実店舗のメンバーである七海さん、友花里さんのどちらかにEコマース事業をお願いすることができます。足りなくなった実店舗のメンバーは製造のメンバーから若い子を充当しようと考えました。いきなりEコマースを担当してもらうより、実店舗を担当してもらった方が模範もあり、取っつきやすいと思ったからです。
鬼切社長は早速実店舗に向かいました。
つづきはこちら。
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