担当者が鬼切社長に提案したこととは。【no.0214】
ネットショップのあるあるストーリー、その壱のつづき。(前回はこちら)
鬼切社長は聞きました。
「それで、何すればいいの?」
担当者はしばらく考えて、重い口を開きました。(鬼切社長には10秒くらいに感じられた!)
「広告、という方法があります。ショッピングモールに来られているお客様、もしくはショッピングモールの会員向けメールマガジンで、おにぎり水産のネットショップにお客様を呼ぶ方法です。みなさん、その方法を選択され成功しています。あー、そうだ。お申込みが本日締め切りの、めちゃめちゃグルメ特大スペシャル広告が、たった1枠残っていました。某有名ショップさんが仕入れにトラブルがありましてね、1枠だけキャンセルになったんですよ。おにぎり水産の初広告、こちらにチャレンジしてみませんか?」
「それは、おいくらなんですかね?」
鬼切社長が聞くと同時に、担当者は口を空けます。
「1週間のトップページ掲載で50万円です。ただ、今回の企画は様々なところから誘導がかかりまして、グルメさん集まれ号や各カテゴリのサイドナビ上部にも掲載されます。高いインプレッションが期待できる位置ですし、コンバージョンレートも他の広告よりはよいですよ。それよりサムネイルにしますか、サーチワードにしますか。CPCやCPAを考えると、この枠が絶対おすすめです。ガッツリ新規顧客とランキングを獲得しましょう!!」
はっきりいって、鬼切社長は内容が一切理解できなかったのですが、現状のままでは埒があかないと思っていたので、このショッピングモールの担当者さんの言う通りに広告をかけてみることにしました。
「鬼切社長。お客様からできるだけたくさんの注文をいただくために、『おにぎり水産で買う理由』をつくらなきゃいけないですね。何か御社で検討してもらえませんか?」
鬼切社長は静子さんをはじめ、社内のスタッフと会議をすることにしました。いろいろな意見が出ましたが、パソコンのスキルを要するものも多く、自分たちでは対応がしきれないという結論になりました。できることと言えば、笹かまぼこの値段を落として、競合している他店よりも安くすることでしょうか。鬼切社長は担当者に電話をかけて相談をしました。
「すいません。社内で話し合って、値段を下げることにしました。他のネットショップさんが、5枚で1,500円で売っているので、うちは5枚で1,480円はどうかなと‥」
担当者は少し不機嫌な調子で言いました。
「いやいや、それじゃインパクトなさすぎですよ。オープン記念ですから、5枚980円(送料無料)とかはどうですか。きっとお客様が殺到しますよ。それで笹かまぼこランキングに入れて、新規のお客様のメールアドレスも取得しましょうよ。広告の掲載期間が終わったら通常の価格に戻して、それでお客様がリピートしてくれたら、元が取れるじゃないですか。みなさんそうやって成功されていますよ!」
鬼切社長は社内で緊急ミーティングを開きました。5枚980円(送料無料)で販売できるかです。多くの従業員が反対しましたが、ネットショップを成功させるにはこれしかない、みんなこの方法で成功している、と伝えると理解してくれました。たぶん、納得してくれた理由は、鬼切社長が社長だからだと思うのですが‥
かくして、おにぎり水産ネットショップ初のインターネット広告は、めちゃめちゃグルメ特大スペシャル広告1枠50万円に、5枚980円(送料無料)の笹かまぼこを載せるということで話がまとまりました。
そして掲載初日、売れる売れる。いままでになかった注文メールの多さに、鬼切社長は驚きました。「どうだ!俺のいった通りだろう。5枚980円(送料無料)で大成功じゃないか!!」。なんと、めちゃめちゃグルメ特大スペシャル広告の掲載期間内に、この5枚980円セットが1,000セットも売れたのでした。 黙々と発送作業を行うアルバイトさんの横で、鬼切社長は勝利のガッツポーズを決めていました。
そのとき、例の担当者から鬼切社長の携帯に電話がかかってきました。
つづきはこちら。
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