ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

石田さんは「やりきってもらう」までが仕事であると恥じた。 【no.0171】

(前回のコラムを読まれていない方は、まずこちらからお読みください)

【前回までのあらすじ】

 アイドル芸能事務所「マイドル」を立ち上げた石田さんは、「メガネ歴女」の人気投票オーディションサイト「マイドル」を立ち上げた。第2のサイトとして「メガネ納言」の立ち上げを決意。サイトを管理するF次郎くんとの緊急ミーティングで、「やりきってもらう」までが仕事だと石田さんは気づく。石田さんが行ったこととは・・

*毎朝、定例のミーティングを20分おこなう

 石田さんは、「やりきってもらう」までが自分の仕事であったと恥じ、翌日から毎朝F次郎くんとミーティングを行うことにしました。

 毎朝のミーティングは、芸能事務所の出勤時間である午前10時から20分を使って行います。前日の数字、前日に行った仕事、月次の進捗の順番でチェックを行い、今日どんな仕事をするかを話合っていきます。F次郎くんにはミーティングの少し前に出勤してもらい、ミーティングが短時間で済むように、数字のチェックと仕事内容を考えておいて欲しいと伝えました。

 素直なF次郎くんは、毎朝9時半には出勤をし、前日の数字と前日の仕事内容、月次の進捗、そして今日どんな仕事をするかをまとめるようになりました。そのため10時からのミーティングは円滑に進みました。数字という「結果」を見て、実践した「原因」がどう響いているのかを考える、そこから次に期待している「結果」を出すために、どんな「原因」をつくっていけばいいのかを考える。それを日次、月次でみていくことで、短中期的な「結果」の変化と「原因」の相関性を読み取っていく。石田さんとF次郎くんのミーティングはスムーズに進んでいきました。

 しかし、このミーティングを進めていくにはひとつ問題がありました。石田さんは、このとき「メガネ歴女」のサイトの管理やアイドルタレント全体のマネジメント、イベントやグッズの企画を統括していました。特に、B美さんとD菜さんのプロモーションはマイドルの売上の多くを占めるので、手を抜くわけにはいきません。F次郎くんをきちんと育成していきたい気持ちは十分にあるのですが、そこに使える時間が限られていたのです。

*原則が徹底されないと、どんどんルーズになっていく

 午前10時に設定している朝のミーティングも、石田さんの緊急のアポイントによっては中止になることがあります。F次郎くんは毎日ミーティングの準備をしていましたが、石田さんから10時にメールが入り「F次郎ごめん。今日ミーティグお休みで」という感じのことも繰り返されます。

 F次郎くんにストレスが溜まってきました。おいおい、お前が毎日準備しろって言ってるのに、ミーティングいつもドタキャンしやがって。石田さんの立場からいえば、会社にとって優先順位が高いものから順番に行動せざるをえないので「仕方がない」のですが、F次郎くんは納得しません。だんだん、F次郎くんのミーティングの準備が適当なものになっていきました。

 ある日の朝のミーティングのことです。明らかに、F次郎くんのミーティング資料は適当なものでした。それまで3日連続でミーティングが開催できなかったこともあり、F次郎くんの態度からもイライラが募っていることがわかります。しかし、石田さんとしてはF次郎くんの仕事が適当になっていることを指摘しなければいけません。「F次郎、この資料、もう少しきちんと作れないかな。数字と施策の分析が甘いんじゃないかな」そう伝えると、F次郎くんの堪忍袋がついに切れました。

 「石田さんは、毎日やってるんすか?『メガネ歴女』のサイトで毎日やってるんすか?数字つけてるんすか、何やってるか書き出しているんすか?・・教えてください!!」

 石田さんの口はぽっかりと空いていました。

注:このシリーズの石田さんは石田麻琴さんとは別人です。実体験でもありませんので、石田麻琴さんのイメージと重ねあわさないようお願いします。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから