ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

販売促進費、広告宣伝費の考え方。予算はどうとる?どう使う?3【no.0673】

 販促費の考え方、について共有したいと思います。(前回はこちら

 販促費として合計100万円の予算を使うとします。販促としてよくあるパターンは「送料無料」や「ポイント10倍」という手です。商品Aの販売目標個数が200コならば、「送料無料」と「ポイント10倍」で36万円の販促費がかかります。残りの64万円が広告費、ということになります。この64万円の広告費を、リスティング広告(PPC広告)などに使うわけです。

 特に頭を使わずに商品を売り出そうと思うと、このような打ち手になります。しかし、これではちょっと味気ない。というか、誰でもやっていることなのでつまらないですし、何よりお客さんへの差別性がありません。ということで、もう少し賢い?販促費の使い方を考えていきましょう。

広告費の使い方の2パターンを知る

 まずは広告費の賢い使い方です。

 広告費には2パターンがあります。ひとつは、金額が固定のもの。代表的なのはバナー広告です。「このスペースに1週間、バナーを掲載して●●万円」というものです。リアルの世界だと、電車の中刷り広告や、新聞の広告、街の看板の広告と一緒です。サイズと期間と金額が決まっていることが多いと思います。

 もうひとつは金額が変動するもの。代表的なのはリスティング広告(PPC広告)やアフィリエイト広告です。「このスペースに広告を出しておいて、お客さんがクリックしたら(購入したら)、1件あたり●●円ね」というものです。リアルビジネスでは営業さんの「完全出来高契約」にある種近いものがあるのかもしれません。

 リスティング広告(PPC広告)の場合、WEBサイトに出稿された広告がクリックされると、1クリックあたりの広告費が計上されます。なので、広告がクリックされなければ広告費はかかりません。アフィリエイト広告についても、商品が購入されなければ広告費はかかりません(月額の基本料金は別です)。ですから、広告としては非常にリスクが低く、取り組みやすいものといえます。また、掲載期間の開始と終了が決まっているものでもないので、随時広告を出したり引っ込めたりすることができます。

鉱脈というのは、「楽じゃない」方にある

 そう考えると、固定金額の広告に費用をかけるより、課金制の広告に費用をかけた方が賢そうな気がするのですが、個人的には固定金額の広告の方を推します。だいたい、鉱脈というのは、「楽じゃない」方にあるものなのです。

 まず広告をかける目的として、多くの人に商品Aを知ってもらうことなわけですから、より多くの人に広告をクリックしてもらう方が当然良いわけです。そのために、広告の画像やキャッチコピー・テキスト部分をより魅力的になるよう工夫していくのですが、広告が魅力的になればなるほど、課金制の広告だと広告費が上がっていってしまうのです。ですから、努力すればするほど広告費が嵩みます。

 しかし固定金額の広告は、広告を魅力的に改善して、クリックされる回数が10倍20倍に増えたとしても広告費は変わりません。金額が固定だからです。いわゆるCPC(クリック単価)は、「広告費÷クリック回数」で計算されるわけですから、固定金額の広告であれば、このCPCが改善のたびに下がり続けていくはずです。逆に課金型の広告のCPCはずっと変わりません。

 これからもインターネットビジネスを続けていくのですから、固定金額の広告にチャレンジして、そのノウハウを蓄積していく方をおすすめします。広告の効果を最大化させるために、もうひとつ気にしなくてはいけないこと。次回のテーマです。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから