ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

インターネットビジネスの目標設定、予算設定について。一【no.0711】

 インターネットビジネスの目標設定、予算設定について考えていきたいと思います。

 ネットショップやWEBサービス、自社メディアなど、インターネットビジネスをスタートするときに、「目標はどう考えられていますか?」もしくは「目標はどうやって立てれば良いと思いますか?」という質問を受けることがあります。

 半ば「夢」、「気合と意気込み」のような目標値を設定することはもちろん可能です。「1年以内に月商1億円を目指します」「半年以内に会員ユーザーを10万人にします」「1年で100万PV(ページビュー)を達成します」など、これらの目標は何ら根拠のない「それくらいの気持ちでやりますよ」の意思表示です。

 この意思表示に対して、「それくらいの気持ちでぜひ仕事に臨んでもらいたい!」と共感して後押しをしてくれる人もいるでしょうし、「根拠が説明できないのなら、時間とお金というリソースを任せるのはちょっとなぁ・・」という人もいると思います。個人的には、後者の意見の方が通常なのではないかと思います。

 そんな中でも、インターネットビジネスの目標をどう立てていくか、は大切なことだと思います。ここがないと、経営者もなかなかインターネットビジネスに本腰を入れづらいことでしょう。

 例えば、今までのビジネス。つまり、インターネットビジネスではないリアルビジネスの場合、目標設定・予算設定はこのようなものだったのではないかと思います。

 事業をスタートする際、まずポイントになるのがマーケティングリサーチです。リアルビジネスは立地が命です。どこに店舗を構えるかで、ビジネスの勝ち負けが決まってしまうといっても過言ではありません。リアルビジネスは基本的に商圏ビジネスですから、店舗を構えようとしている場所の商圏がどのようになっているか、もしくは逆に、どのような商圏の場所ならば店舗を構えたときに収益化するか。ここを徹底的に調査することになります。

 商圏において調査するポイントは以下のようなものが主になるでしょう。

 まずは、商圏内のお客様の数。どのような年齢層の方が多いのか、男女比はどれくらいなのか、世帯数はどれくらいか。ファミリー層が多いのか、シニア層が多いのか、子どもはどれくらいいるのか。そして、現在までの統計として、人口とその属性がどのように変化しているのか、今後どのように変化すると予想されるのか。沿線からの来客は期待できるのか。この調査をおこなうことで、商圏内の顧客像を掴むことができます。自社のサービスコンセプトとの比較をおこなって、出店すべきか否かの判断材料になりますし、また、出店したときのマーチャンダイジングも変わっていくことになります。

 そして、まさに立地という部分。出店予定場所の通行量、交通量はどれくらいあるのか。朝、昼、夕方、晩でどのような属性のお客様が店舗の前を通りすぎることになるのか。駅やバス亭からの導線に重なっているか、近づいているのか、それとも離れてしまっているのか。車での来客を想定しているならば、近くに駐車スペースは確保できるのか、車が停車できるタイミングで店舗を確認してもらうことができるのか。現在は良い立地だとしても、今後の土地計画にネガティブな要素がないのか。このあたりがポイントになってくるのではないでしょうか。

 さらに、商圏のリサーチ、立地のリサーチだけではなく、競合店舗の情報も調査をしなくてはいけません。同系列の店舗がどれくらいあるのか、それを含めた商圏はどうなるのか。顧客層を調査した上で、自社の強みとしてアピールできる部分はどこなのか、逆にどの顧客層を「捨て」なければいけないのか。そう考えると、今後店舗をオープンするまでに、どのようなカラーの店舗づくりを進めていなかければいけないのか。

 このように、リアルビジネスの場合、スタートする前のリサーチが非常に重要になるのですが、インターネットビジネスの場合は・・

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから