商品を知ってもらうことがショップを知ってもらうことにつながる【no.1141】
ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら)
「人は笹かまオニギリを知り、わさび漬け笹かまぼこを知るのではなく、わさび漬け笹かまぼこを知り笹かまオニギリを知る」
七海さんと友花里さんは、この言葉を何度がつぶやきました。麻間(あさま)さんが教えてくれたこの言葉は、ふたりの心の中にスッと溶け込んでいきました。そして、いままで自分が心の中で思っていた、マーケティングの勘違いがサラサラと消化されていく気がしました。ちょうどこの言葉が良い薬になったかのように。
友花里さんが言いました。
「私、いままで勘違いをしていました。ネットショップの売上が上がっていくときって、『笹かまオニギリ』っていうお店の名前が何かのきっかけで有名になったり、少しずつジワジワお客様が増えていったりして、それで注文が増えていくのかなぁと思っていました」
友花里さんに続いて、七海さんも言いました。
「私も同じように思っていました。ショップ自体をどうやって知ってもらえればいいのかなって。猪井氏(いいし)先生のこの言葉を考えると、ショップを知ってもらうよりも、商品を知ってもらうことが結果的にショップを知ってもらうことにつながっていく、ってことですよね。だから、ショップ自体を知ってもらおうと頑張っても、実はあまり意味が無い・・とか」
麻間さんは友花里さんと七海さんの意見に頷いて言いました。
「ネットショップを始められたときは、なんでネットショップが成長していくのか、売上のあるネットショップはどうやって大きくなったのか、その道筋が見えないので疑問を持つと思います。友花里さんや七海さんがおっしゃったことが複合的に起こって、どこかのタイミングで化学反応を起こして、売上が伸びていったのでは・・などと、想像を膨らませてしまうものです。でも、この『人はブランドを知り、商品を知るのではなく、商品を知りブランドを知るのである』という言葉を知ると、ネットショップの成長の道筋がなんとなく見えてくる気がしませんか?」
七海さんが小さな声で言いました。「なんとなく、ですが・・」。それを聞いて、友花里さんは笑っています。麻間さんは続けて、七海さんと友花里さんに質問をしました。
「『人はブランドを知り、商品を知るのではなく、商品を知りブランドを知るのである』。この言葉に則ったとすると、おにぎり水産のネットショップ、『笹かまオニギリ』がこれからすべきことって、何だと思いますか。友花里さん、わかりますか?」
麻間さんの質問に、友花里さんは腕組みをして考えました。顔を斜め上に向けて、アイデアを探すような様子をして、そして麻間さんの方を向いて言いました。
「この『わさび漬け笹かまぼこ』のヒットを、さらなる大ヒットにつなげていくことではないでしょうか?ちょうど、ユニクロがフリースをヒット商品からメガヒット商品に育てていったように、おにぎり水産も『わさび漬け笹かまぼこ』を単なるヒット商品ではなく、大ヒット商品、メガヒット商品に育てていけると、もっともっと『笹かまオニギリ』の認知も上がっていくような気がします」
麻間さんは友花里さんに向かって拍手をしました。すると、友花里さんの隣にいた七海さんも友花里さんに向かって同じように拍手をしました。「売って売って売りまくれってことね」。七海さんが友花里さんにいいました。
「ここで、そのメガヒット商品を出し続けている、ユニクロという会社の話をしましょう。参考になるはずです」
麻間さんが言いました。
つづきはこちら。
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