チョウチンアンコウ。7【no.1122】
(前回はこちら)
博多屋さんは、日本道経会のFAX通信を読んで、僕のことを知った。福岡からわざわざ東京の講演を聞きにきてくれた。そして、そのFAX通信は岩本さんが執筆されたものだった。
FAX通信は、こういった内容だった。
最近、Nくんという青年に出会った。これまでEコマースの業界で、ネットショップの店長として6年間働いてきた若手だ。何度か、ネットショップの賞も受賞したことがあるらしい。このNくんによると、Eコマースの業界の市場が今、変化を迎えているという。これまでの先行者がメリットを享受できる時代から、戦略、投資、人財育成、改善の時代に変わってきているというのだ。つまり、ネットショップも経営の時代に変わってきたのだという。Nくんの面白いところは、コンサルタントとして会社のEコマースチームの育成をするというやり方だ。経営に変わりつつある今こそ、本気でEコマースに取り組む価値がありそうだ。
この文章のとおり、実は文面に一度も「西田」という名前は出ていない。岩本さんが書いたのは、「Nくん」というイニシャルの名前だけ。ちょうど同時期に、「西田の講演」を知ったことから、博多屋の村西さんは「Nくん=西田」に違いないと思い、東京の講演に申し込んでくれたのだ。
正直、村西さんはすごい感度を持たれている方だと思う。岩本さんの文章を読んで市場の状況を理解し、文章中の「Nくん」を探し当て、わざわざ台風の中、東京までこられたわけだから。そもそも、岩本さんの文章を読んで、「Nくんって誰なんだ!?」と思った方自体が、村西さんだけだったのではないだろうか―――。
一回目の講演で、岩本さんは片岡さんを紹介してくれた。そして、片岡さんは※▲◎×$というところを紹介してくれた。最初はまったく聞き取れなかったのだが、どうやら「びーぴーあいえー」という団体らしいことがわかってきた、アルファベットで表すと「BPIA」である。正式名称を、この頃は「ビジネスプロセス革新協議会」といっていた。
岩本さん、片岡さんのリクエストもあり、BPIAでの講演のテーマは「ツイッターをどうやって活用するか?」になった。その頃、僕のtwitterには6万人のフォロワーがいた。この6万人をどうやって集めたか。集める過程で何がわかったのか。それが講演の主旨になる。
当時、2011年6月あたりはtwitter全盛の時代。前年、2010年の秋からにわかに流行り始めたtwitterが、たくさんのユーザーに使われるようになった頃だ。ソーシャルメディアの世界でtwitterと双璧になるfacebookは、4月頃から少しずつユーザーが増えていった。そんな時代だった。みんなソーシャルメディアやtwitterのことを知りたがっていたのだ。
とりあえずtwitterの活用については隠すことはないので、全部を話すことにした。僕がtwitterのフォロワーを増やすためにやっていたのは、「Eコマースのノウハウをつぶやく」ということだった。twitterの制限文字数140文字で1ネタ、Eコマースのノウハウをつぶやく。それを毎日5-6ネタずつ、繰り返し繰り返しつぶやいていく。簡単にいうと、これを回転させていくことでフォロワーを増やしていた。
これをおこなうときのポイントはいくつかある。ひとつは、先に「Eコマースのノウハウ」の140文字の文章を用意しておくということだ。10や20ではない。100コ以上の文章を用意するのだ―――。
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