ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

お客様がネットショップにアクセスした何らかの理由を紐解く。【no.1064】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

「たしかに、私たち、昨日はほとんど鬼切社長とミーティングしてたんだもんね」

 友花里さんがいいました。七海さんは友花里さんの言葉を聞きながら、「実行数値管理表」に目を落としていました。

「売上が10万円でしょ。注文数も20件。笹かまおにぎりのアクセス人数はいつもの10倍くらいになってるよね。これってちょっと変だと思わない?売上も注文数もいつもの3倍くらいなのに、アクセス人数だけいつもの10倍だなんて。売上も注文数も一緒に10倍になってくれればいいのに」

 前日の数字は売上10万円と注文数が20件で、ともにデイリー平均の3倍ほど。アクセス人数が飛びぬけて高く、デイリー平均の10倍。客単価は5,000円で、こちらはほぼいつもと変わりませんでした。

 七海さんと友花里さんは麻間さんに電話をしてみることにしました。数字が上がってもその原因がわからないときの対策として、何かポイントのようなものがあるのかを質問しようと思ったのです。

 友花里さんは麻間さんの携帯に電話をかけ、前日から今日までのいきさつについて説明をしました。麻間さんがこたえた内容は、このようなものでした。

 前日、お客様が笹かまおにぎりのネットショップにアクセスする何らかの理由があったことは間違いない。まずやってほしいのが、ネットショップにアクセスした人数の「参照元」の内訳。検索エンジンからアクセスしている人が多いのか、どこかのWEBサイトを経由してアクセスした人が多いのか。もしくは、ソーシャルメディアからアクセスしている人が多いのか。検索エンジンからアクセスしている人が多ければ、何という検索キーワードでアクセスしているかを調べてほしい。おそらくだけれども、いくつかのキーワードにまとまって数字が出ているはず。

 友花里さんの話を聞いて、七海さんは笹かまおにぎりのデータを閲覧することができるGoogleアナリティクスにログインをしました。アクセスの「参照元」を確認すると、前日は検索エンジンからのアクセスが異様に増えているようでした。他WEBサイトを経由してのアクセスやソーシャルメディア経由のアクセスはいつもとさほど変わらない数字でした。

「麻間さんの教えてくれたとおりのような展開になってるね。検索エンジンからのアクセスが多かった、と。じゃあ、どんなキーワードでのアクセスが多かったかを調べてみようか」

 七海さんは、同じくGoogleアナリティクスの「オーガニック検索キーワード」のデータを確認しました。アクセスが多かったこともあって、たくさんの検索キーワードが並んでいます。しかし、その内訳はいつもとはかなり異なるものでした。いつもは最も検索されているキーワードが「おにぎり水産 ネットショップ」だったのに対して、今回は「笹かまぼこ わさび」というキーワード一番目にきていたのです。

「友花里、これみて。『笹かまぼこ わさび』なんてキーワードにアクセスが集中してる。いつもは『おにぎり水産 ネットショップ』ってキーワードが上位なのに。なんで『笹かまぼこ わさび』なんてキーワードが多かったんだろうね」

 七海さんはパソコンに表示されるGoogleアナリティクスのデータ一覧画面に指で触れながらいいました。「あっ!」と友花里さんは何かを思いついたような声を出しました。

「いいこと思いついた。あのさ、検索エンジンで実際に『笹かまぼこ わさび』って調べてみて。ネットショップのどこのページに検索がヒットしているかも知りたいし」

 七海さんは友花里さんに言われたとおり、検索エンジンを立ち上げ、検索バーに「笹かまぼこ わさび」と入力しました。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから