ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

会社の価値をはかる上で重要な指標のひとつは「年数」【no.0994】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

 七海さんは思いきって、麻間(あさま)さんの宿題について鬼切社長にアドバイスをもらうことにしました。七海さんと友花里さんがこれまでのいきさつを話すと、鬼切社長はいいました。

「それを理解するのは、会社にとって非常に重要なことですね」

 そして、鬼切社長は「これがそのまま麻間さんの宿題のこたえになってしまうとあまり良くないのですが・・」と前置きした上でいいました。

「会社の価値をはかる上で、私は重要な指標がふたつあると思っています。この指標というのは、ネットショップでいうところの『アクセス人数』や『転換率(コンバージョン)』のようなものなのですが、七海さん友花里さん、なんだと思いますか?」

 鬼切社長の質問にまず口を開いたのは、七海さんでした。

「やっぱり、『売上』でしょうか。私たちの月間の目標、年間の目標も『売上』になっていますし、やっぱり売上が大事なのではないかと思います」

 鬼切社長はうんうんと頷いて、一度七海さんの意見を飲み込んでからいいました。

「『売上』も大事ですが、私はこのふたつがもっと大事だと思っています」

 続いて、友花里さんがこたえました。

「『従業員数』ではないですかね。最近、他のWEBサイトを参考にしようと思って、他社のホームページを閲覧することが多いのですが、『従業員数』を載せている会社さんが多いです」

 鬼切社長はうんうんと頷いて、友花里さんの意見を飲み込んでからいいました。

「確かに『従業員数』も大事です。経済を回していくにあたって、どれくらいの人数の雇用を生み出しているかというのは会社にとって重要なことですね。友花里さんのいうとおりでもあります。ただ、私のイメージしているものとは少し違うかな」

 七海さんと友花里さんは考えました。いくつかのこたえが出たあとに、鬼切社長はいいました。

「七海さん友花里さんが出してくれた指標、いずれも大切な指標です。会社の価値をはかるとき、どの指標を重要視するか、それは経営者がどんなことを大切にしているか、そのポリシーによる部分が多くあります。おにぎり水産の場合は、社長である私ですね。なので、あくまで私が思う最重要指標、ということになるのですが、『年数』と『利益率』このふたつです。今回の麻間さんからの宿題でいうと、この『利益率』というのが絡んでくる話になると思います」

 鬼切社長の話を聞いて、七海さんは「利益率かぁ」といいました。友花里さんは「私は利益、なのかなぁと思いました」といいました。

「まずひとつが『年数』ですね。これはそのまま、会社がどれくらい継続してきたか、ということです。七海さん、おにぎり水産はどれくらいの『年数』になるか、覚えていますか?」

「たしか、70年くらいでしたよね。社長のお爺さんが創業された、というのを以前オリエンテーションで聞いた気がします」

「そうです。よく覚えていましたね。もうすぐ70年になります。七海さんも友花里さんも聞いたことがあるかもしれませんが、設立された会社のうち5年継続できるのが何%、10年継続できるのが何%っていうの知っていますよね。様々な計算の仕方や様々な説があるので、一概には言えないのですが、10年継続できる会社は10%だといわれています。30年の継続ともなると1%未満です。0.1%未満だともいわれています。それくらい、会社を継続させることは難しいことなのです」

 七海さんと友花里さんは「30年で0.1%未満!」と驚きました。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから