ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

アクセス数の偏りを「埋もれている」と取るか、「選択された結果」と取るか【no.0938】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

「TOP5の商品で、全体のアクセスの50%を占めていることになりますね」

 七海さんが驚いたような声でいいました。麻間(あさま)さんが、「それは当然」というような感じで頷いて、いいました。

「まあ、そんなもんですよ。猪井氏(いいし)事務所でも他にいくつかネットショップをサポートさせてもらっていますが、商品ページのアクセスがきれいに分散しているところはありません。基本的に、アクセスはどこかに偏っています。ここで、2つの考え方があるんですね」

 七海さんは自分のメモ帳に、「アクセス数の偏りはどのネットショップでもあること」「2つの考え方」と書き入れました。

「ひとつは、ネットショップ内で偏っているアクセスを、分散させていこうという考え方ですね。お客様には同じ商品ページばかりが見られているわけで、その結果、ネットショップの中で埋もれてしまっている商品があるかもしれません。先ほどお話した、ネットショップの『導線』を改善していくことで、より多くの商品がお客様の目の届くようにしていくんですね。これがひとつ目」

 七海さんは、「ネットショップで偏っているアクセスを、埋もれている商品に分散させる」とメモ帳に書き込みました。

「もうひとつは、ネットショップ内でアクセスが偏っていることは、そのままお客様のニーズをあらわしているのではないかという考え方です。つまり、お客様はネットショップで商品ページを見るまでもなく、トップページやカテゴリページで商品を選択している。だから、アクセスが偏るというのは決して『商品が埋もれている』のではなく、『お客様に選択された結果である』と考えることもできます。これがふたつ目です」

 七海さんは、「アクセスの偏りはお客様のニーズ。埋もれているのではなく、選択されている結果」とメモ帳に書き込みました。そして、麻間さんに「『笹かまオニギリ』の場合、どっちが正しいのですか?」と質問をしました。

「七海さんの気持ちはわかるのですが、どちらが正解も、どちらが不正解もありません。市場の環境や競合他店の状況、ネットショップの運営にも関わってきますしね。ただ、現段階の『笹かまオニギリ』を考えると、まずは前者の『埋もれてしまっている説』を検証するところから始めていった方が良い気がします。これは、私の経験上の勘です」

「麻間さん、ありがとうございます。そうしたら、ネットショップの『導線』をもう少し変えてみることを業務の中に入れてみたいと思います。七海、いいよね」

 友花里さんがいいました。「でも、どこからどう手をつけたらいいんでしょうか。闇雲にやっても・・」

「友花里さん、ありがとうございます。たしかに、闇雲に手をつけると『結果として良かったのか悪かったのか』が曖昧になってしまうことが多いです。やっぱり改善を進めるためには、『改善の軸』をきちんと据えておくことが大切です。ここで『商品販売実績管理』のエクセルの出番ということになります」

 麻間さんが、七海さんと友花里さんが作成した「商品販売実績管理」のエクセルを指していいました。

「この『商品販売実績管理』のエクセルですが、この『笹かまオニギリ』ネットショップの商品ページアクセス数TOP30のリストを4つのパターンから見ていければと思います。これがネットショップを改善するための軸になるわけです。ネットショップで販売している商品には、4つのパターンがあります」

 七海さんはメモ帳の新しいページを開き、「4つのパターン」と書き入れました。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから