「やること」を決めたら、必ず「期限」を決める。このふたつはセット【no.0840】
ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら)
「わからないからこそ、『やる』意味がある」
友花里さんのこたえに麻間(あさま)さんの胸が熱くなりました。それと同時に、友花里さんと七海さんを日々指導している鬼切社長の考え方、おにぎり水産の理念も麻間さんの心に伝わってくるようでした。「こういう会社を大切にし、ネットショップを絶対に成功させたい」。麻間さんはそう思いました。
ホワイトボードに書かれたカイゼンアイデアには1番から34番までの優先順位が振られています。麻間さんは特にその優先順位には口を出さず、七海さんと友花里さんが決めたとおりの順番で実践をしてもらうことにしました。
麻間さんの経験と勘からすると、「5番目は優先順位1位にもってきた方がいいかなぁー」「26番はやらなくてもいいかなぁー」というものもいくつかあったのですが、あくまで実践施策の内容も優先順位も、七海さんと友花里さんの意思を尊重することにしました。
これは猪井氏(いいし)先生の教えです。「自分で決めた方が、真面目に真剣に本気でやるじゃろ!」というのが猪井氏先生が伝えてくれた考え方でした。逆に、「他人が決めたことなんぞ、真面目に真剣に本気でやるわけないわ!」というのも猪井氏先生の口癖です。
麻間さんは、「笹かまオニギリ」のネットショップをカイゼンしていくにあたっての、もうひとつ重要な「意思決定」をふたりにお願いしました。
「七海さん、友花里さん、もうひとつ今決めてもらいたいことがあります。カイゼンアイデアとその優先順位を決めるのと同じくらい、いや、それ以上に大切なことです。この34つの項目に取り組むスケジュールを立てて欲しいんです」
友花里さんは平然とした顔で麻間さんの提案を聞いていましたが、七海さんは少し嫌そうな顔をしました。「うっ・・そうですよね・・」。麻間さんに向かって七海さんはいいました。
「基本的に、やることが決まったら期限を決めるのを徹底した方がいいと思います。あくまで、やることとスケジューリングはセット、です。アイデア出しをしたとき、優先順位を決めたときはあまり気にしていなかったかもしれませんが、決めたことは絶対、やりましょう」
麻間さんがそういうと、七海さんと友花里さんは顔を見合わせてフフッと笑いました。
「七海さん、友花里さん、ごめんなさいね。私、真面目すぎる性格で。でも、『決めたことはやる』ということが徹底できなければ、やることを決めることの意味はないと思いますから。アイデアはたくさん出るけれども、『いつ誰がやるのか』は全く決まらない。そういうことって良くあるでしょう?」
七海さんと友花里さんは「あるある」といいながら、うんうんと頷きました。
麻間さんは用意していたエクセルシートを表示させ、七海さんと友花里さんに見えるようにノートパソコンを移動させました。そのエクセルシートには、今月の1日から31日までの日付が書かれており、各日付のとなりに空白の枠が並んでいます。
麻間さんは次のエクセルシートを開きました。次のシートには、1月、2月、3月というように年間の月が書かれており、同じように月のとなりに空白の枠が並んでいました。
「この2つが、月次と日次のスケジュールシートになります。このエクセルシートを七海さんと友花里さんにメールに添付してお渡ししますので、ふたりで34項目をおこなうスケジュールを立てて、私に返信をしてください。これが0番目のふたりのカイゼン施策です。期限は来週の金曜日15時にしましょうか」
麻間さんはその場でメーラを開き、七海さんと友花里さんに添付メールを送信しました。
つづきはこちら。
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